特殊神事 庖丁式

 今からおおよそ1100年余り昔、時の58代光孝天皇は料理に造詣が深く、天皇の命により様々な料理をまとめて後世に伝えたのが四條流の祖といわれる四條中納言藤原朝臣山陰卿あそんやまかげきょうでした。光孝天皇の時代(平安時代)から朝廷を始め、貴族社会の人々により、宮中行事の一つとして行われてきたのが「庖丁儀式」です。
 烏帽子えぼし直垂ひたたれをまとい、庖丁とまな箸を用い、一切手を触れることなく、鯉、真鯛、真魚鰹まながつおなどを調理します。古式に則った所作とその庖丁さばきは、熟練の技。日本料理の伝統を今に伝える厳粛な儀式です。
 毎年、5月17日、10月17日(旧神嘗祭かんなめさい)と11月23日(旧新嘗祭にいなめさい)に高家神社境内で庖丁式の奉納が執り行われています。